従来のPCC(自動車専用運搬船)はパナマ運河の通行制限により、船幅が32.20mに抑えられていましたが、2016年6月に新パナマ運河が開通したことにより船幅が49mまでに拡張されました。それに伴いPCCも大型化することとなりましたが、日本の自動車の積出港では全長が200m未満の制限があります。その対策として弊社では長さを抑えて船幅を広げる船型を開発しました。制限内の全長をそのままに船幅を37.20mに広げることにより、普通車の積み台数を国内最大となる7500台まで増やすことができました。
また、トラックやトレーラー、バスなどの大型の車両も積載できる構造となっています。積載する自動車は船尾と中央部の右舷側に設備されたランプウェイから自走で船内に入り各デッキ間を結ぶ艙内ランプを使用して効率よく格納されます。
また、現在、地球の温暖化が大きな課題となり、CO2排出量規制が世界の重要テーマとなっています。従来燃料としていた重油から窒素や硫黄の成分がほとんど含まれないLNG(液化天然ガス)を燃料とするPCCの開発が必要となってきました。LNGは沸点(液体から気体になる温度)がマイナス170度以下の超低温なのでその管理や制御などに高度な技術が必要となってきます。
弊社では先んじて、このPCCの建造に挑戦することになりました。
7500台積自動車運搬船ドック建造風景
PCC(自動車専用運搬船)海上公試
Construction ship